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結婚といえばクロワッサン症候群という本

「クロワッサン症候群」は嘘とまことの入れまじった本である。

本というものの大多数はそういうものなのかも知れない。しかし『クロワッサン』症候
群」はひどすぎる。なぜなら、嘘が主要な部分を占めていて、しかもそれが未婚の中年女
性に対する大きな侮辱となっているからだ。
もちろん著者の松原さんは、意識的に嘘をついていらっしゃるわけではない。この本の
なかにある「真実でない部分」は、むしろ「事実誤認」という言葉で表現すべきだろう。
松原さんは、『クロワッサン』が、女の自立志向をあおったと主張されている。
雑誌が自立志向をあおる!
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しかし日本人は、とくに女性は、まったく現実的で、絶対に観念や理念で踊らない人び
となのである。(これは美点なのだろうか)
働く主婦が増えつつある現実にせよ、彼女たちは「自立」をめざして、などという観念
的な理由で行動しているわけではない。
それだって、よいではないか。最終的に、それが女性の自立と解放につながるのである
ならば。

「クロワッサンが女性に喜び迎えられたのは、この雑誌が他の女性誌にさきがけて、当
時の女たちの現実と気分とにぴったりする表現をあたえることに成功したからである。
「初めに事実ありき」で、「初めにことばありき」では絶対にない。
結婚しない女がこれほど増えた背後には、れっきとした客観的理由があって、「クロワ
ッサンにあおられたからではないのである。
この本で私たちは、その「現実」をあらゆる角度から追究してぷた。雷かれていること
は、女にとって都合のいいことばかりではない。しかし少なくともそこに、「事実誤認」
はまぎれこんでいないと思う。